土家族は「ピツカ」と自称し、起源については、古代の巴人の子孫とするもの、貴州から移動してきた鳥蛮の一部とするもの等、まだ定説はない。言語はイ語群に近い土家語を話すが、民族の文字はなく漢字を使用している。古くから漢族との同化が進み、漢族の影響を強くうけているため、大部分の人は漢語ができ、なかにはミャオ語、土家語、漢語ができる人もいる。漢語ができ漢族文化の影響を強くうけてきたことから、土家族の文人が明清時代にあらわれ、竹枝詞や古体詩を残している。
湖南省(張家界、永順、竜山、保靖、古丈の各県)と湖北省(来鳳、利川、鶴蜂、咸豊、宣恩の各県)の西部に集中的に居住するほか、四川省東部にも多く分布している。これらの地区は、海抜400〜1500メートルの山岳丘陵地帯で、山間を河川が縦横に流れ、重要な交通運搬の用を果たしている。気侯は比較的温和で、降雨量も多く、水稲、トウモロコシ、イモ類、小麦などの農耕のほか、林業、牧畜、漁業なども営まれています。
土家族の民族衣装 |