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鳳凰古城 |
湖南省の湘西自治州に昔ながらの街並みをそのまま残す貴重な古街を見つけました。その名は「鳳凰古城」。春秋戦国時代から清代に至るまで、軍事政治の中心として繁栄した当時の風景がほぼ完全な形で残っています。
「中国で最も美しい小城」と、ニュージーランドの著名作家アイリー氏も称賛したとのことです。
鳳凰古城の城壁に沿って、ゆっくりと流れる一つの川があります。この川は「沱江河」と呼ばれ、この古城の母親のように見守っています。
烏篷船に乗り漁家の号子(中国の漁家ならではの歌)を聞きながら、両岸にある百年もの歴史を持っている土家吊脚楼を観賞すると、他では見られない雰囲気が漂っているのがわかります。 |
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古楼舟影 |
河の流れに沿って虹橋をくぐると、目の前には万寿宮、万名塔、奪翠楼という“江南水郷”の絵のような美しい風景が飛び込んできます。その風景を眺めると、なんとなく俗世間外の桃源境のような心境が湧いて来ます。
沱江河の南岸には紫紅石で敷き詰めた、優雅で雄大な古城の城壁があります。城壁の上には東と北にそれぞれ城楼があり、長い歴史の中に聳え立っています。沱江河の河水は澄みきっており、川筋も浅く水の流れもゆっくりで穏やかですので、柔らかい波の中の草が人目を引くようによく見えます。
沱江河の岸に建てられた吊角楼群は、虹橋と北門の跳岩の近くにあり、独りぼっちで沱江河の中に立っており、まるでいつまでも戻らないような風景でした。 |
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南方長城 |
鳳凰古城郊外の南方長城は明代の嘉靖32年(西暦1554年)に建設を始め、明の天后3年(西暦1622年)に完成しました。
その長城は南の銅仁交界の亭子関から、北は吉首の喜鵲営まで延々と380qにも及んでいて、“シンキョウの万里の壁”と言われ、中国歴史上の大きな土木工事の一つに数えられています。
さらに苗族の農民一揆を防ぐために、城壁に沿って3キロ或いは5キロおきに関所、兵営、前哨詰め所が設けられました。例えば、亭子関、烏巣関、阿拉関、靖辺関等は今でもぼんやりと見えているそうです。
この長城は湘西と苗疆を隔てていました。北方を「外の庶民」と考え、“苗族の人は境外に出かけず、漢民族の人は境内には入れない”ということを定めたので、苗族と漢民族と間の貿易と文化の交流は禁止されてしまったようです。 |
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苗族村寨 |
市区から西へ24qの所に唐代創建の中国でほぼ完全に残る石頭城の一つ、昔「渭陽城」と呼ばれていた「黄絲橋古城」があります。
城楼で使われている石材は皆巨大な石灰石で、もっとも大きいのは重さ約1000sあり、小さいのも500sもあります。
城壁の周長は686m、東西153m、南北190mで、総面積は29070uあります。城壁の高さは5.6m、厚さは2.9mで、東、西、北にそれぞれ門があり、土台の幅は2.4mあります。この「黄絲橋古城」は1983年10月に省の重要文化財に定められました。 |